夏休みの合宿

子どもたちの育ちの力と合宿場の機能や環境等を下見し、安平町に行ってきました。

4年生と5年生は1泊で6年生は2泊でした。合宿は無事に終了しました。

今週は学年活動が入ります。

さて、今週の通信は6年間で最も育ちの変化の多い4年生の合宿づくりを追ってみました。

ところでお父さんお母さんたちは4年生の時に国語で“ごんぎつね”の物語に出会いましたか?残念ですが今は教科書に載っていませんが…。

この当時の先生方は4年生の国語で“ごんぎつねとひょうじゅう”の心の動きを掘り下げ、深く丁寧に時間をかけて授業を進めていました。最後の方を少しだけ触れてみます。

 “ひょうじゅう”の家の土間に山の実が時々置いてあり、だれが?なぜ?に気づかず、ある日“ごんぎつね”を見つけ、また、いたずらに来たと思い込み鉄砲で撃って殺してしまいました。

その時に“ごんぎつね”が持っていた山の実に気づき、そこで初めて“ごんぎつね”の心を知り深い悲しみに入っていきました。

さて、本題に戻りますが、1.2年生の時は一方通行だった会話が3年生になると自分の気持ちを伝え、相手が話している事を受け入れる力が付いてくることはご存じの事と思います。

さらに4年生になるとその言葉の持つ意味の裏側や隠れた部分も捉えることが出来、考えられるようになります。

それが“ごんぎつね”の授業でした。

今年も6月位から夏休みの計画に入りました。まず、各学年で企画が始まりその後に異年齢の活動の話し合いをします。

4年生も合宿の話を進めていくのですがA子は休みがちです。学校であった時に誘うのですがなかなか学童に来ません。「話し合いに来ないのなら合宿も来るな!」とお友達に言われてしましました。

A子はみんなと一緒に合宿に行きたかったのに、とてもショックを受けてしましました。

みんなでこのことについて話し合いました。最初は悪者探しのような話し合いでした。

支援員が「ねえ、ねえ“来るなって”どうしてそんなこと言ったのか聞いてみた」ハッとしたみんなはそのことに気持ちが動いていきました。

本人はきつい言葉で傷をつけたことを反省していました。でも本当は一緒に行きたくて、学童に来てほしくて、つい強い言葉で行ってしまったこと、そのことを誰1人攻めることなくみんなは分かってくれました。

子どもたちは一面的に捉えた悪者探しの会議から少し抜け出しました。

次に支援員が「今日A子来てないけどAこの気持ちはどうなんだろう?」

子どもたちは「いつも学校のお友だちとこどもの国公園であそんでいるよ」「A子は1.2年生の時あんまりお友達と遊んでいなかったよ。」「きっとお友だちがたくさん出来てうれしいんだと思う」「でもあおぞらは来ないね」「こどもの国公園にいるんだからあおぞらも好きだと思うよ」「A子合宿に来るかな」

支援員は「みんなは来てほしいの?」

子どもたちは「だってみんなで行きたいから」「当たり前でしょ」

支援員は「でもA子話し合いに出てないからわからないことがたくさんあると思うけど…。」

子どもたちは「大丈夫教えてあげるから」「みんなで助けてあげるから」ここまでくると子どもたちの気持ちは仲間として意識も固まり人間誰でもが持つ弱さに対しても優しくなれる力を持ったようです。

支援員は「みんなはA子に来てほしいと思ってもA子の気持ちはどうなのかな?これからどうする?」

子どもたちは「もやもやの気持ちのままで一緒に行く自信がない」「大丈夫、明日学校で話をしてみる。」「A子にも来てもらって学童で、みんなで話そうよ」しかし次の日もA子は来ませんでした。

この日あおぞらに行きたかったけどみんなに攻められると思っていけなかったことが後でわかりました。

合宿前日、支援員がA子に電話をいれて「来るな」は合宿に一緒に行きたかった心の表れで、公園でお友だちと嬉しそうにあそんでいるA子への理解の気持ちなど、会議の流れと最後にみんなが一緒に合宿に行きたいと思っている気持ちを伝えました。

そして、合宿に参加するかどうかはA子と家族に委ねました。

次の日の朝、A子は大きな荷物を抱えて登所してきました。A子にも壁は無く少し前のように仲良く話をしていました。合宿も楽しかったようで帰ってからの低学年への報告も要点を得てとても上手でした。

このように仲間と一緒に乗り越えること、仲間がいるから乗り越えられたことが次への育ちに繋がっていきます。

4年生は育ちの峠に差し掛かります。この峠越えをみんなで乗り越えると相手の立場に立って考えたり、行動したり、教えてあげたりできる高学年になっていきます。

育ちの揺れやつまづきなどは困った事ではなく、育っていく過程では必ずあること。そのことを歓迎できる大人になりましょう。

夏休みも終盤に入ります。支援員も夏休みを頂き子育てのエネルギーを補充します。

暑い日が続いています。ご自愛ください。

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